シール材料
シール原紙は、一般的に基材(紙系、フィルム系)、粘着剤、セパレーターの3種類から構成されています。
シールの性能や機能を十分に発揮させるためには、使用目的、使用条件に最もふさわしいそれぞれの材料の選定がとても重要です。
材料について概要図
基材について
シールの一番上の層を基材と言い、この面に印刷します。
印刷適正や印刷効果、装飾効果、耐水性、耐久性などを考慮し、選定します。
基材 ~紙系~
◆上質紙
1.上質55
非塗工印刷用紙で、値段は安く、色々な粘着材との組み合わせもあります。
2.上質70
3.色上質
あらかじめ着色された上質紙。
◆アート紙
1.アート73
原紙の表面に顔料を塗工し、表面の平滑性、光沢、印刷性を向上させたもの。
2.アート90
◆マットコート紙
マット調の塗工を施したもの。
◆キャストコート紙(ミラーコート紙)
1.キャストコート73
原紙の表面を鏡面に仕上げたもの。アート紙に比べてツヤがあり、細かい表現ができます。
2.色キャスコート
あらかじめ着色されたキャストコート紙
◆ホイル紙
1.ツヤ銀
模造紙にアルミ箔を張り合わせた加工紙。銀色のツヤのあるメタリック調の金属光沢を持つ。
2.消銀(けしぎん)
模造紙にアルミ箔を張り合わせた加工紙。銀色のツヤのない金属光沢を持つ。
3.ツヤ金
模造紙にアルミ箔を張り合わせた上に着色した加工紙。金色のツヤのあるメタリック調の金属光沢を持つ。
4.消金
模造紙にアルミ箔を張り合わせた上に着色した加工紙。金色のツヤのないメタリック調の金属光沢を持つ。
5.その他特殊ホイル紙
様々なアルミ箔を張り合わせることにより、多種多様のホイル紙があります。
6.ノンホイルタイプのホイル紙
金属が含まれていないため、金属探知機を使用しているところでもホイル紙を使ったシールを使うことが出来ます。
◆感熱紙
上質紙に無色の塗料と発色剤を塗工したもの。熱が加えられると化学反応で発色する。
◆和紙
和紙を素材にしたもの。和紙を使うだけでなく、繊維を強調したもの、凹凸があるものなど様々な種類がある。
【種類】
白、無地、きり、きなり、金、奉書、クリーム、クレープ、コットン、大礼、金がすみ、銀がすみなど。
◆クラフト紙
クラフト紙を素材にしたもの。封筒やダンボールのような色。
◆蛍光紙
鮮やかな蛍光色の素材で、目立たせたい時に使用。
◆訂正用
印刷物の一部変更や間違いの訂正用に使用します。下の文字が透けて見えない加工が施してあります。
◆耐水紙
紙素材ながら水に強い。
◆両面サンド
両側に粘着剤がついているもの。
◆親展シール用
個人情報の機密保護、改ざん防止ラベルとして使用。
基材~フィルム系~
◆PET(ポリエステルフィルム)
1,PET透明#25、#50、#100
透明のフィルムで何種類かの厚みがある。
2,PETマット透明#50
半透明のフィルム
3,ネーマ
・ツヤ銀#25、#50
PETフィルムにアルミ蒸着を施した上に着色したもので、銀色のツヤのあるメタリック調の金属光沢を持つ。
・消銀#25、#50
PETフィルムにアルミ蒸着を施した上に着色したもので、銀色のツヤのないメタリック調の金属光沢を持つ。
・ツヤ金#25、#50
PETフィルムにアルミ蒸着を施した上に着色したもので、金色のツヤのあるメタリック調の金属光沢を持つ。
・消金#25、#50
PETフィルムにアルミ蒸着を施した上に着色したもので、金色のツヤのないメタリック調の金属光沢を持つ。
・白コート#25、#50
PETフィルムにアルミ蒸着を施した上に着色したもので、マット調の白色の表面。訂正用としても使用されている。
4,ラミネート
・PET#16
PP素材より耐熱性、耐候性があるラミネート用フィルム。
・PETマット#25
マット調のラミネート用フィルム。
・ケミカルマット#25
マット調のラミネート用フィルム。
・シリコンPET#25
表面をシリコン処理したラミネート用フィルム。多層ラベルなどに使用。
5,白PET#50
PETフィルムに着色したもので、光沢のある白色の表面。
6,サンカットラミ
紫外線吸収剤を練りこんだ耐候性の高いラミネート剤
◆PP(ポリプロピレン)
・ラミネート用OPP#20、#40
PET素材より安価なラミネートフィルム
・ラミネート用OPP#20
マット調のラミネート用フィルム
◆塩化ビニールフィルム
・白ツヤ塩ビ#80、#100
塩化ビニール樹脂と各種添加剤を配合して作られる。耐候性も高く、柔軟性も高いため、屋外用ラベルに使用される。ツヤがある白色の表面。
・白消し塩ビ#80、#100
塩化ビニール樹脂と各種添加剤を配合して作られる。耐候性も高く、柔軟性も高いため、屋外用ラベルに使用される。マット調の白色の表面。
・色塩ビ
あらかじめ着色された塩ビフィルム
・透明塩ビ#80
透明の塩ビフィルム
◆合成紙(ユポ紙)
・ユポ#80、ユポ#110
原料はプラスチックで、耐水性が要求されるところに使用。
・ユポ#60訂正用
ユポ素材の訂正用に使用。
◆アセテートサテン
アセテート素材で、粘着剤は繊維を傷めないものを使用
◆金属箔
・金、銀、ケシ、色箔
箔押し用フィルム
◆オレフィン系
・ポリオレフィン白#100、透明#100
軟質塩ビとオレフィンの良さを兼ね備えた素材焼却処分しても有毒ガスを出さない。
◆感熱紙
・ユポサーマル
ユポ紙に無色の染料と発色剤を塗工したもの。熱が加えられると科学反応で発色する。
粘着剤について
一般的にシールの粘着剤として使われているのは、感圧性粘着剤です。
貼った後、押しつけることで接着(粘着)力が生まれるものです。
貼り付けるものや、シールの使用条件、使用方法などによって最もふさわしい粘着剤を選定します。
粘着剤
◆エマルジョン系
1,普通接着
最も一般的に使われている。
2,強力接着
普通接着より強い粘着が必要な場合に使われている。
3,砥石(トイシ)用
強力接着より強い粘着力があり、粗面用ともいわれている。
4,冷食用
冷蔵等低温時の接着力に優れている。
5,弱粘
普通接着より弱い粘着剤で、ある程度の再はく離性がある。再貼付け不可。
6,再剥離(弱粘)
再剥離、再貼り付けができる。
◆ソルベント系溶剤
1,溶剤性強力接着
フィルム基材に一般的に使用されている。
2,冷凍・ハム用
冷食用よりもさらに低温に強く、耐水、耐熱性も優れている。
3,繊維用
繊維に直接貼り付ける場合に使用される。
4,再はく離(強粘)
フィルム用の再はく離粘着剤。
5,徴粘着
鏡面に優れた再はく離性を示す。簡単剥離性を示す。簡単剥離で糊残りが少ない。
セパレーターについて
セパレーターは、シールが製品等に貼り付けられるまで、シールの粘着力や形状を保持する、またはシールの加工上必要なものとして重要な役割を担っています。
セパレーター
◆紙系
1,クラフト系
シートカット仕上げ、平版印刷用に使用。
2,グラシン系
自動貼り用の巻き取り仕上げ用に使用。
◆フィルム系
1,PET
ファンシー用、紙粉の混入を避ける場合などに使用。